20180701

汚言症というのがあるらしい。

 

チックの子どもがよく発するもので、排泄に関する言葉をずっと言い続ける行為のことらしい。

 

そのようなものがあると聞いた時、僕はああ、わかるかもと思ったものだ。

 

ちょんまげ

 

ストレスがたまると、僕の頭の中をいつも飛び回る言葉、ちょんまげ。

 

なんでこんな言葉がずっと飛び回るのだろうと思っていた。

 

家で一人の時とかは声にして連呼してる時さえある。

 

別にちょんまげ自体は汚い言葉でもなんでもない。なんでもないが…。

 

ということを、友人に言うと『実は俺もそれある』と言ってきた。

 

自分以外にもそんなことになっている人間がいるなんて思いもしなかったから、すごく驚いたし安心した。

 

その時思ったのだ。もしかしたら、人それぞれそういった言葉を持っているのかもしれない。そして、どうしてもしんどい夜に、ひとり頭の中でその言葉を遊ばせたり、時には唇にのせて虚空に投げたりして、ひとりぼっちの夜を耐え忍んでいるのかもしれない。

 

いつからかわからないけど、辛い時に寄り添ってくれる言葉たち。それは、もしかしたら選んだわけでもないのに側にいるということで家族にも似たものなのかもしれない。

 

今日も誰かの言葉が、駅からの帰り道、シャワーホースの下、ベットサイドの明かりの中で揺らめいている。

 

ちなみにその友人の連れ合いの言葉は『わかめ』だそう。

 

言葉にできない心を、連れ合いの言葉に託して。

 

わかめわかめわかめわかめわかめわかめわかめわかめわかめ。

 

ちょんまげちょんまげちょんまげちょんまげちょんまげちょんまげちょんまげちょんまげちょんまげちょんまげ。